2016年3月14日月曜日

2014 - 2015年に読んだ本

2014年から2015年にかけて読んだ本をまとめてみました。




2014年はまとめ記事を上げなかったので、2014年から2015年の2年間に読んだ本についてまとめました。


2014 - 2015年に読んだ本の一覧

2014に観た作品と2015年に読んだ本を一覧表にしました。


2014年に読んだ本の一覧

2014年は18冊の本を読みました。

No. 書名 著者 訳者 出版社
1 ウェブ社会のゆくえ <多孔化>した現実のなかで 鈴木謙介 NHK出版
2 私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな ジェーン・スー ポプラ社
3 暗号解読 サイモン・シン 青木薫 新潮社
4 ストリートの思想―転換期としての1990年代 毛利嘉孝 NHK出版
5 Perfume 4th Tour in DOME 「LEVEL3」 アミューズ
6 金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 板谷敏彦 新潮社
7 哲学の先生と人生の話をしよう 國分功一郎 朝日新聞出版
8 社会の抜け道 古市憲寿、 國分功一郎 小学館
9 ミッキーはなぜ口笛を吹くのか: アニメーションの表現史 細馬宏通 新潮社
10 未知との遭遇: 無限のセカイと有限のワタシ 佐々木敦 筑摩書房
11 アフロ・ディズニー2: MJ没後の世界 菊地成孔、大谷能生 文藝春秋
12 エロティック・キャピタル: すべてが手に入る自分磨き キャサリン・ハキム 田口未和 共同通信社
13 ラブホテル進化論 金益見 文藝春秋
14 アダルトビデオ革命史 藤木TDC 幻冬舎
15 男子の貞操: 僕らの性は、僕らが語る 坂爪真吾 筑摩書房
16 なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか 二村ヒトシ イースト・プレス
17 教養としてのプログラミング講座 清水亮 中央公論新社
18 最貧困女子 鈴木大介 幻冬舎


2015年に読んだ本の一覧

2015年は34冊の本を読みました。

No. 書名 著者 訳者 出版社
1 音楽嗜好症: 脳神経科医と音楽に憑かれた人々 オリヴァー・サックス 大田直子 早川書房
2 予備校なんてぶっ潰そうぜ。 花房孟胤 集英社
3 父と息子のフィルム・クラブ デヴィッド・ギルモア 高見浩 新潮社
4 神は死んだ ロン・カリー・ジュニア 藤井光 白水社
5 イスラーム国の衝撃 池内恵 文藝春秋
6 貴様いつまで女子でいるつもりだ問題 ジェーン・スー 幻冬舎
7 21世紀アメリカの喜劇人 長谷川町蔵 スペースシャワーネットワーク
8 時代劇は死なず! 完全版: 京都太秦の「職人」たち 春日太一 河出書房新社
9 テヅカ・イズ・デッド: ひらかれたマンガ表現論へ 伊藤剛 星海社
10 機械探偵クリク・ロボット カミ 高野優 早川書房
11 学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話 坪田信貴 アスキー・メディアワークス
12 ケータイ小説的。: "再ヤンキー化"時代の少女たち 速水健朗 原書房
13 ニッポンの音楽 佐々木敦 講談社
14 新宿スペースインベーダー: 昭和少年凸凹伝 玉袋筋太郎 新潮社
15 近代政治哲学:自然・主権・行政 國分功一郎 筑摩書房
16 統治新論: 民主主義のマネジメント 大竹弘二、國分功一郎 太田出版
17 権力の読みかた: 状況と理論 萱野稔人 青土社
18 社会思想史を学ぶ 山脇直司 筑摩書房
19 ノーライフキング いとうせいこう 河出書房新社
20 アイディアを実現させる最高のツール プログラミングをはじめよう 池澤あやか 大和書房
21 反知性主義: アメリカが生んだ「熱病」の正体 森本あんり 新潮社
22 セーラームーン世代の社会論 稲田豊史 すばる舎
23 紋切型社会: 言葉で固まる現代を解きほぐす 武田砂鉄 朝日出版社
24 ヒップホップ・ドリーム 漢 a.k.a. GAMI 河出書房新社
25 身体を売ったらサヨウナラ: 夜のオネエサンの愛と幸福論 鈴木涼美 幻冬舎
26 謎の独立国家ソマリランド: そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア 高野秀行 本の雑誌社
27 役者は一日にしてならず 春日太一 小学館
28 仲代達矢が語る 日本映画黄金時代 春日太一 PHP研究所
29 TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ! 成馬零一 宝島社
30 藝人春秋 水道橋博士 文藝春秋
31 ポストモダンの共産主義: はじめは悲劇として、二度めは笑劇として スラヴォイ・ジジェク 栗原百代 筑摩書房
32 イーロン・マスク: 未来を創る男 アシュリー・バンス 斎藤栄一郎 講談社
33 メイカーズ進化論: 本当の勝者はIoTで決まる 小笠原治 NHK出版
34 ゼロからトースターを作ってみた結果 トーマス・トウェイツ 村井理子 新潮社


2014 - 2015年に読んだ本についてのメモ

全ての本についてコメントはつけられないので、印象に残っているものだけメモ。
書評ではないので、そういう類のものを期待しないでください。


この2年間もノンフィクションが好きです

「どうやらフィクションが苦手だ」ということに気づいてはや数年。小説よりもノンフィクションを読むことが多くなっています。

サイモン・シン『フェルマーの最終定理』がとても面白かったので、次作にあたる『暗号解読』を読みました。エニグマの解読をめぐる攻防を読んでいたおかげで、映画『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』を観るときに知識のベースになりました。

春日太一『時代劇は死なず! 完全版: 京都太秦の「職人」たち』は時代劇の盛衰を描くノンフィクション、『役者は一日にしてならず』はベテラン俳優へのインタビュー集。どちらも面白かったです。
特に後者は「役者で成功したい」という人もいれば「食っていくためにやっていただけ」という人もいて、同じ業界で長く活躍する人という共通点はあってもその過程はそれぞれ異なるという当たり前のことを面白いものと再確認しました。
水道橋博士『藝人春秋』もテレビでは分からない人間模様が見られる本でした。

高野秀行『謎の独立国家ソマリランド: そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア』は500ページ以上あったので読むのに時間はかかりましたが、次のページの内容が気になってどんどん読み進めたくなる本でした。傍から見ればアフリカの"途上国"に見える一国で、西洋諸国とは違う血族(の利害関係の調整)を基盤にして民主主義が成り立っているというフィクションとしか思えない現実。


誰もが性的魅力を武器にしているわけじゃない

キャサリン・ハキム『エロティック・キャピタル: すべてが手に入る自分磨き』はざっくり言うと「優れた容姿や性的魅力は武器になるのだから使って何が悪いのか」という内容。
論の展開が雑だなと思う部分(中盤あたりで「女性は男性と比べて性欲が少ない」ということをアンケート調査の結果を示しながら説明するんだけど、社会構築主義なら同じ資料で真逆のことが言えるだろうなとか)はありつつも、概ね納得。

鈴木涼美『身体を売ったらサヨウナラ: 夜のオネエサンの愛と幸福論』は、先の「優れた容姿や性的魅力を武器にする」人によるエッセイ。
容姿や性的魅力の優劣においてこの著者とは対極に位置している人間(この本で言ってるところの麦を食っているべき人間)としては理解の及ばない部分もあるしイラッとする表現もあるけれど、このタイプの人がどう考えているのかを覗き見ることができるというのは面白かったです。

この2冊だけ読んでいると、性的魅力を武器にする、もっと端的に言えば風俗業界で働く女性がみな武器の対価として金銭を得ていると思ってしまう(「女は体を売って稼げるんだから良いよな」みたいな発想)という安易な推論をしてしまうかもしれません。
別の切り口として合わせて読んでおきたいのが、鈴木大介『最貧困女子』という貧困層で特に風俗業界に関わっている女性についてのルポ。誰もが「小遣い稼ぎ」的なスタンスで働いているわけではないし、社会関係資本の少ない人や障害を持つ人の脆い受け皿になっている面もあるという事実について知っておくだけでも価値があるのかなと。



2016年も面白い本が読めますように。

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