2012年11月28日水曜日

アルゴ

2回観てきました。
『アルゴ』予告編

ベン・アフレックの監督作品は本作も含めて3本とも観ているのですが、特に前作『ザ・タウン』での抑制を効かせた骨太な演出が好きでして。ただでさえカッコ良いジェレミー・レナーが漢気見せまくる最期なんて、私もああやって死にたいと思うくらいでした。

本作でも抑制を効かせた=やたらと派手な見せ方をしない演出が良かったです。
例えば冒頭のアメリカ大使館のデモがじわじわと暴徒化していく様子であったり、「大使館員を映画スタッフと偽ってイランから脱出させる」という救出計画が各方面に話をつけながら進行していく様子であったり。

この丁寧な積み重ねがあるからこそ、終盤で一度は中止になった救出計画を実行に移したときの推進力が生まれるのでしょう。
大使館員たちの側の映像と追っ手の側の映像を交互に見せることで「もしかしたらバレてしまうかもしれない」、「せっかくの計画が台無しになるかもしれない」といったハラハラ感をどんどん煽られます。

終盤の展開で特にアツいのは、あと一歩で飛行機に搭乗できるというところで革命防衛隊(欧米で教育を受けた人々が中心の革命派)に捕まってしまい尋問を受けるシーン。それまでは計画に否定的だったスタフォードが、得意のペルシャ語を使い身振り手振りや「ビューン」「プシュー」などの擬音を織り交ぜながら映画の内容を説明し始めると、それを聞いていた革命防衛隊のメンバーたちも次第に引き込まれます。

映画の説明をするスタフォード(中央やや左のヒゲ)

ここで説明している映画の内容というのが「選ばれし者である主人公が民衆を率いて悪い王を倒す」というもので、まさに革命防衛隊の立場が示されているわけです。ニセ映画のストーリーについつい魅せられてしまう革命防衛隊のメンバーたちと、まさに今この映画を観ている実際の観客の姿が重なるように思えて、「物語」の力とカタルシスを妙に感じてしまいました。

ただ、宇多丸さんの評によると終盤の展開は史実から相当「盛って」いるそうでw
スタフォードが映画を説明するシーンについても「ペルシャ語を喋るなんて一番やってはいけないこと」と言われて、確かにそうだよなぁ、と思いました。
確かにおかしいけれど、それを補って余りある緊張感と迫力のある展開だし問題ないかと。

脱出に成功した後、メンデスとスタフォードが黙ったまま握手をして軽く頷く姿はもうカッコ良いとしか言いようが無いですね。

エンドロールで実際の写真が出てくるのですが、冒頭のデモのシーンで幾つか同じ構図で撮っていたり、救出された大使館員がみんなそっくりだったという衝撃!容姿が似ている上に演技も出来る人を見つけてくるのは大変だったろうなぁと思いました。

これが実際の写真のようです。ソックリ!

最後に、使いどころは分からないけどどうしても言いたくなってしまうあの一言で締めたいと思います。

"ARGO, fuck yourself!"

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改めてシネハスの『アルゴ』評を貼っておきます。

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メンデスとシーゲルがタコスを食べに行くシーンでかかっていた曲がカッコ良かったので調べてみたら、この曲のようです。

Dire Straits "Sultans of Swing"

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