2012年12月3日月曜日

北のカナリアたち

1回観てきました。
『北のカナリアたち』予告編


阪本監督の作品は『この世の外へ クラブ進駐軍』、『闇の子供たち』、『大鹿村騒動記』くらいしか観ていませんが、イマイチ何が特徴なのか把握し切れていません。どれも観れば面白いのだけれど、何か特徴があるかというと浮かばない。
この作品もそんな印象です。

まぁ、監督がどうこういうよりも、そもそも物語自体があまり面白くはないと思いました。
あらすじはこんな感じ。
日本最北の島で小学校教師をしていた川島はる(吉永小百合)は、ある事故をきっかけに島から出て行ってしまう。それから20年後、東京の図書館で働いていた彼女は、教え子の一人が事件を起こしたことに疑問を抱き、かつての自分が受け持っていた生徒たちに会うため北海道へ向かう。恩師と再会した教え子たちは、それぞれに抱える複雑で苦しい胸中を明かす。(シネマトゥデイ)
事件というのは、合唱でソロパートをやっていた女の子の声が出なくなってしまい、元気付けるために食事会を開いたら色々あってその女の子がみんなを困らせようと自殺するフリをして、それを助けようとした先生の夫が溺死するというもの。

確かにとんでもない出来事ではあるのだけれど、子どもたちはその後の生活でこの事件を引きずっているわけでもないんですよ。むしろその事件が起きたときに「なぜ先生はあの場にいなかったんですか?」ということばかり気にしてる。

で、先生は何をしていたかというと、余命いくばくも無い夫に説得されてある警官(目の前で人質を殺されて自暴自棄になっている)のところに行っていたということが後半に語られます。
これが「夫が事故死している時に先生は別の男と一緒にいた」という形で町中に噂が広まってしまい、先生は町を出ざるを得なくなったとのこと。
でも、この先生は町を出ることになったからといって別段何か困っている感じでもないんです。

だから、この登場人物たちにとってこの事件がどういうしこりを残しているのか分からないし、それがない限りは事件の詳細が明らかになったところで何が解決するかもはっきりしないのですよ。
サスペンス形式なので物語が展開するに連れて誤解や謎が解き明かされていくのだけれど、そのたびに「はぁそうすか、よかったっすね」位にしか思えない。

まぁ、ノブくんは娑婆にいる最後の思い出が作れてよかったネ☆みたいな。

湊かなえ原作というと『告白』くらいしか知らないけれど、あれも最後の最後にセリフが一言足されてなかったとしたら今回と同じような印象だったろうなぁ。

俳優の演技も画面の寒々とした感じも良かったんですがねぇ。

― ― ―

まったく関係ないですが、カナリアということで貼っておこうと思います。

東京スカパラダイスオーケストラ "カナリヤ鳴く空"

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