2014年2月3日月曜日

2013年に聴いた音楽

タイトルの通り、2013年に聞いた音楽。正確にはCDです。
すぐに忘れてしまうのでとりあえずメモ。

長いし動画が多いけどコレといって役に立つことは書いてないです。

以下の表の並び順は聴いた順です。
購入したもの以外(ツタヤか人から借りた)は背景をグレーにしています。

2013年に聴いた曲
No.
タイトル
ミュージシャン
レーベル
1
ダーティーサイエンス RHYMESTER Ki/oon Music
2
Limited addiction
東京女子流 avex trax
3
CHECK-IN PASSPO☆ ユニバーサルミュージック
4
One World PASSPO☆ ユニバーサルミュージック
5
ごめんね、私。 南波志帆 ポニーキャニオン
6
水色ジェネレーション 南波志帆 ポニーキャニオン
7
乙女失格。 南波志帆 ポニーキャニオン
8
鼓動の秘密 東京女子流 avex trax
9
未来のミュージアム Perfume ユニバーサルミュージック
10
人間と動物 電気グルーヴ Ki/oon Music
11
ジャンゴ 繋がれざる者 オリジナル・サウンドトラック Various Artists ユニバーサル インターナショナル
12
POP STATION NONA REEVES BILLBOARD RECORDS
13
ティッケー大作戦!~YAVAY / HYPER TICKEEE QUEENの歌 hy4_4yh THE LABEL
14
シュガーマン 奇跡に愛された男 オリジナル・サウンドトラック Rodriguez ソニーミュージック
15
約束 東京女子流 avex trax
16
PS4U Tomato n' Pine ソニーミュージック
17
バトル アンド ロマンス ももいろクローバーZ スターチャイルド
18
スチャダラ外伝 スチャダラパー ソニーミュージック
19
UPPER JAM 餓鬼レンジャー ビクターエンタテインメント
20
Rollin' 045 OZROSAURUS プライエイド
21
5th WHEEL 2 the COACH スチャダラパー EMIミュージックジャパン
22
Tic Tac サイプレス上野とロベルト吉野 Felicity
23
LUPIN the Third 峰不二子という女 オリジナルサウンドトラック 菊地成孔 日本コロムビア
24
CUE 9nine ソニーミュージック
25
5TH DIMENSION ももいろクローバーZ スターチャイルド
26
Magic of Love Perfume ユニバーサルミュージック
27
DEV LARGE プレゼンツ: 病める無限のラップの世界 Buddha Brand cutting edge
28
ZENZEN BLEND GWIG GWIG MIXXX -コチラGWIG GWIG RADIO放送局-  ZEN-LA-ROCK & SEX山口 ALL NUDE INC.
29
サ上とロ吉のIN MIX~non stop rental~ サイプレス上野とロベルト吉野 Felicity
30
MUSIC EXPRES$ サイプレス上野とロベルト吉野 Felicity
31
THA MASTA BLUSTA ILLMARIACHI Pヴァイン
32
降神 降神 Pヴァイン
33
作品集 JUST 田我流 桃源響
34
THE SON OF THE SUN TAKUMA THE GREAT Forte
35
王道楽士 MICROPHONE PAGER クラウンレコード
36
STILLING, STILL DREAMING BLUE HERB STRAIGHT UP RECORDS
37
EP SCARS Legendary Inc.
38
街風 SEEDA EXIT TUNES
39
Self Exprssion I-DeA Pヴァイン
40
Talkin' Cheap RIP SLYME File Records
41
Lip's Rhyme RIP SLYME File Records
42
Rap-a-city CHIEF ROKKA IFK Records
43
Eye Opener Head Bangerz IFK Records
44
望 月を亡くした王様 降神 Pヴァイン
45
The Rap Messengers STERUSS ZZ Production
46
Summer Rising Mini Album Funkot Panas DJ JET BARON ユニバーサル ミュージック
47
ロミオ道行 藤井隆 アンティノスレコード
48
オール バイ マイセルフ 藤井隆 R&C LTD
49
She is my new town / I just want to hold you 藤井隆 R&C LTD
50
連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック 大友良英 ビクターエンタテインメント
51
殺し屋危機一髪 SOIL&”PIMP”SESSIONS と椎名林檎 ビクターエンタテインメント
52
THE CUT Base Ball Bear ユニバーサル ミュージック
53
ひこうき雲 荒井由実 EMI Records Japan
54
労働讃歌 ももいろクローバーZ スターチャイルド
55
猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」 ももいろクローバーZ スターチャイルド
56
Z女戦争 ももいろクローバーZ スターチャイルド
57
ニッポン笑顔百景 桃黒亭一門 スターチャイルド
58
Diamond In Your Heart 東京スカパラダイスオーケストラ cutting edge
59
CAN YOU COLLABORATE? ~best collaboration songs&music clips~ スチャダラパー Tearbridge Records
60
Love in Qushu ~LinQ 第一楽章~ LinQ T-Palette Records
61
Diggin' on you - T-palette Records 2nd Anniversary Mix Selected & Mixed by サイプレス上野とロベルト吉野 Various Artists T-Palette Records
62
潮騒のメモリー 天野春子 (小泉今日子) ビクターエンタテインメント
63
アイドルばかり聴かないで Negicco T-Palette Records
64
妄想のハワイ PASSPO☆ ユニバーサルミュージック
65
steal a person's heart EGO-WRAPPIN' トイズファクトリー
66
The Man With The Iron Fists Various Artists Soul Temple
67
B級映画のように2 田我流 Mary Joy Recordings
68
university of remix tofubeats ソニーミュージック
69
lost decade tofubeats ワーナーミュージックジャパン
70
ぱすぽ☆ベスト1 PASSPO☆ ユニバーサルミュージック
71
ぱすぽ☆ベスト2 PASSPO☆ ユニバーサルミュージック
72
入口のない出口 ももいろクローバー スターダストレコーズ
73
SUPERMCZTOKYO ライムベリー T-Palette Records
74
あまちゃん 歌のアルバム Various Artists ビクターエンタテインメント
75
date course lyrical school T-Palette Records
76
LEVEL3 Perfume ユニバーサルミュージック
77
ねぇきいて?宇宙を救うのは、きっとお寿司…ではなく、でんぱ組.inc! でんぱ組.inc Meme Tokyo
78
Subway Silence Giovanca ビクターエンタテインメント
79
While I'm Awake Giovanca ビクターエンタテインメント
80
Pacific Rim Original Motion Picture Soundtrack Ramin Djawadi Sony UK
81
Darthreider & Hidaddy Presents High School High! -高校生RAP!!!- Various Artists OCTAVE
82
Page1:ANATOMY OF INSANE SIMI LAB Summit
83
ときめきのヘッドライナー Negicco T-Palette Records
84
GOUNN ももいろクローバーZ スターチャイルド
85
THE EXPERIENCE DJ MISTA SHAR C.I.C Production
86
Don't Stop The Music tofubeats ワーナーミュージックジャパン
87
SOUNDTRACK TO THE BED TOWN DINARY DELTA FORCE Dlip Records
88
Sweet Refrain Perfume ユニバーサルミュージック
89
攻殻機動隊 ARISE Original Sound Track CORNELIUS flying DOG
90
閃光 feat.10-FEET 東京スカパラダイスオーケストラ cutting edge
91
無重力ガール/Chase feat. TAKUMA THE GREAT, FORK, ISH-ONE, サイプレス上野 KEN THE 390 DREAM BOY

2013年の傾向で分けてみようと思います。

1. サントラが多い

サントラをやたらと購入してました。それだけ音楽の良い映画が多かったということですが。
ジャンゴ 繋がれざる者』、『シュガーマン 奇跡に愛された男』 、『パシフィック・リム』のサントラを購入しました。映画じゃないけど『あまちゃん』のサントラも購入しました。

2. 日本語ラップが多い

中盤以降に日本のヒップホップが多くなるのは、サイプレス上野&東京ブロンクス『LEGENDオブ日本語ラップ伝説』を読んだ影響です。別の記事でも書きましたが、非常に面白い本でした。

それからタマフルの企画の影響もありまして。
一つは8月24日放送分の特集「高校生ラップ選手権特集!」です。当時の放送の内容は文字起こしと動画を紹介している非常にためになるこの記事(前編後編)を参照していただければと。

2000年代前半のB-BOY PARKでのMCバトルと最近のMCバトルを比較すれば明らかにシーン全体のレベルが上がっているわけです。それが今や高校生でもスタイルが確立されているかつ巧い人がたくさんいるというね…。コンピレーションの『High School High!』をすぐに入手しました。
表題曲のマイクリレーも最高でしたが、ソロ曲も非常に良くて。MC妖精「自家発電」なんてまさに高校生男子のリアルライフですから!w

HIGH SCHOOL HIGH CM
みんな素晴らしいですが、特にGOMESS君はアンサーだったり
リリックの引用が巧くてフリースタイルだと際立っているなぁ。

このアルバムに収録されているものではないですが、いくつか載せておきます。

HIYADAM "All I Need"

GOMESS "人間失格"

Lil Rudy Rul "WHO AM I?-おひたち-"

MC妖精 "アトラクションREMIX"
(原曲はコレ

もう一つは10月12日放送分のコーナー「ディスコ954」でDJ MISTA SHARが披露した「WE RUN MVC -藤沢(Moss Vill)日本語ラップMix-」です。
リアルタイムで聴いていたのですが、かかるトラックが全てツボにはまったんですよ。何というか、男臭さに溢れた太いトラックで。そして、アルバム『THE EXPERIENCE』 を即購入。カッコよかったです。
アルバム収録曲を載せておきます。

DJ MISTA SHAR "THAT'S HOW WE LIVE feat. B.I.G.JOE"

DJ MISTA SHAR "NIGHT OF DECISION feat. CALLY WALTER & SHEEF THE 3RD"

この流れで『SOUNDTRACK TO THE BED TOWN』も入手した次第。

DINARY DELTA FORCE "BED TOWN ANTHEM"
ウータンで衝撃を受けた人間としては、静かなトラックと
個性的なマイクリレーにはビンビン感じるものがあります。

Wu-Tang Clan "C.R.E.A.M."

タマフルの流れでつけ加えておくと、もちろんRHYMESTERの新譜も良かったですよ!

RHYMESTER "Deejay Deejay"

この流れとは繋がりは無いけれど、KEN THE 390の新譜も良かったですね。
表題曲よりもカップリングのほうが好きだったりします。

KEN THE 390 "Chase feat. TAKUMA THE GREAT, FORK, ISH-ONE, サイプレス上野"
(サ上氏がさらっとリリックを引用してヒップホップIQの高さを見せるのがツボ)

3. アイドルが多い

Perfumeは元々好きなので2013年に限った話ではないですが。
ライゾマティクス展に行ってきた話やMVがどれも素晴らしかった話や2大ドームツアーに全日程参戦したことなど書きたいことは山ほどあるのですが、CDの話に絞るとやはり新アルバム『LEVEL3』がリリースされたことですかね。

ネット上の感想にもあるように、確かにアルバム単体のキャッチ―さは前作『JPN』の方が強いかなと思います。ただ、インタビューでも言われている通り今作は「ツアーを前提として製作された」アルバムなわけで。大きな空間でかかるとものすごい迫力ですよ。特に「Party Maker」なんかは死ぬかと思いましたw

チョコラBBスパークリング CM「キレイ速攻チャージ」篇 

Perfume "1mm"
アルバム収録曲からのMV。

レンタル・購入とも前半にアイドルがとても多いのは、やはりタマフルの影響。
例えば、振付師・竹中夏海先生の「アイドルダンス特集」(1月19日放送)、「アイドルとしての大江戸線特集」(2月9日放送)、そしてBase Ball Bear小出祐介さんの「良質なアイドルソング特集」(2月16日放送)を聞いて色々手を出した次第。
それから、直接にアイドルを扱った特集ではないですが「歌手・藤井隆スペシャルインタビュー」(6月15日放送)も良かったですね。

Base Ball Bear "The Cut feat. Rhymester"
2大ボンクラ共演も胸熱ですが、ワンショットのシーンが
上下でそれぞれ展開するMVも面白いですね。

藤井隆 "She is my new town"
プロデュースが松田聖子ということでアイドル枠に。
タカスィのウェットな声質が非常に良いですな。

藤井隆 "I just want to hold you"
節回しなんかはまさに松田聖子といった感じ。
聖子ちゃんバージョンも聴いてみたいです。

それからGWに友人に見せてもらったももクロちゃんのライブ映像(たしか2012年夏の西武と男祭り2012)ですっかり感化されてしまいました。映像見るまでは「曲がアレだし、あーりん以外はちょっと…」とか思ってたんですが、今ではすっかり(れにたまい推し寄りの←ココ重要)箱推しですよ。

レンタルした中で好きなものをいくつかあげるとこんな感じ。

東京女子流 "Limited addiction"

ぱすぽ☆ "夏空HANABI"
(サムネイルの中央がもりしで良い感じ)

南波志帆 "こどなの階段"

hy4_4yh "ティッケー大作戦~YAVAY"

ももいろクローバーZ "Z伝説?終わりなき革命?"

ももクロちゃんとPASSPO☆は新譜も購入してました。
どちらも低音がドゥルドゥル鳴り響くのが気持ち良い曲でした。
ももクロちゃんの新譜は表題曲よりもどどんが節のR&E感全開のほうが好みだったりするのですが。

PASSPO☆ "妄想のハワイ"

ももいろクローバーZ "GOUNN"

ももいろクローバーZ "ももいろ太鼓どどんが節"(LIVE映像)

それから、『Diggin' on you』を買った事も大きかったですね。T-Palette Records(タワレコのアイドル専門レーベル)設立2周年を記念して、所属しているアイドルの曲をサ上とロ吉がミックスしています。
タマフルなんかでよく名前の挙がっていたアプガバニビNegiccoくらいは名前を知っていましたが、他にも色んなタイプのアイドルがいるのだなぁと。 特にラップをメインにしているグループには惹かれるものがありまして。

一組はライムベリーです。
ラップとアイドル(的な人たち)というと、まず浮かんだのHALCALIみたいなユルさを表現する手段としてラップ(っぽい何か)をしているグループだけど、ライムベリーはユルくないんで驚きました。シングルも買っちゃいました。

ライムベリー "SUPERMCZTOKYO"

もう一組はlyrical school(以下、リリスク)です。
こちらは6人組ですが、まず全員がかわいいというね。特にyumi a.k.a. ゆみずさんは「黒髪でショートカット」、「一重または奥二重で目が大きい」という私の二大ツボを押さえていらっしゃるおかげでもう大変ですよ。

6人の声質もスタイルもそれぞれ個性があって、マイクリレーを聴いていると楽しいんですよ。

lyrical school "そりゃ夏だ!"

lyrical school "リボンをきゅっと"

シングルを買おうと思ったら、その時からちょうど一ヵ月後くらいにアルバムが出るとの事だったのでそちらを購入。

『date course』ジャケット
江口寿史のイラストが良い雰囲気です。


先に挙げた動画の時点からメンバーが二人入れ替わっていて、このアルバムを出す時に過去曲を再録音したそうで。だから「そりゃ夏だ!」の冒頭のmeiさんの勢いがM.O.P.ばりに増してたりします。ちょっと言い過ぎましたかね。

M.O.P. "Ante Up"

たいした話ではないですが、この場を借りてリリスクについて思ったことをメモに残しておこうと思います。
文化系のためのヒップホップ入門』というとても面白い本の中で、シェリル・キーズというアメリカの民族音楽学者による4分類に長谷川氏の1分類を加えた女性ラッパーの5分類が紹介されています(*1)。
大雑把にまとめるとこんな感じ。

No.
分類
特徴
1
クイーン・マザー アフリカの伝統的宮廷文化。母性+権力のイメージ。
2
フライ・ガール セックス・シンボル。「エロくて、強い」イメージ。
3
シスタ・ウィズ・アティテュード 攻撃的で傲慢で反抗的。「ビッチ」を肯定的に捉える。
4
レズビアン 90年代後半から登場。PCの必要性から分類?
5
文化系女子 男女混合グループの紅一点。モテ要素が無い。

上記の分類だと、リリスクは5番目の「文化系女子」に入りそうだなと思うかもしれませんが、個人的にはちょっと違うと思っています。
本の中では「文化系女子」の例としてアレステッド・ディヴェロプメント、フージーズ、ブラック・アイド・ピーズが挙げられています。個人的には、日本でこの特徴を持った人で真っ先に思い浮かんだのが初期のCOMA-CHIでした。

COMA-CHI "ミチバタ"

いわゆる「文化系」という言葉から連想される人物像よりは明らかにBガールの雰囲気が強いですが、クルーに男性が多くいて、かつ対等に渡りあっている感じがあります。スタイルも男勝り(≒男がやっているようにやる)でもなく、かといって「ユルさ」の記号としてラップを扱っているわけでもないというのが、個人的にはとても印象的でした。
まぁ、メジャーに行ってからはクイーン・マザー/シスタ・ウィズ・アティテュード的な要素が強くなっていきますが…。

5分類に注目してみると、これは「アメリカ的セクシー至上主義」とでもいうものに基づいているように見えます。
マドンナ、レディ・ガガ、ケイティ・ペリーは言うまでもなく、テイラー・スウィフトやマイリー・サイラスの転向振りを見れば、過剰にも思えるセクシーさがアメリカではいかに重要視されるのかということが分かるかと思います。

見せ方の違いはあれど、クイーン・マザー、フライ・ガール、シスタ・ウィズ・アティテュードは女性の性的魅力を要素の一つとしています。レズビアンは「異性愛」へのカウンターでやはり性的なものに基盤を持っていると言えるし、文化系女子は性的魅力そのものへのカウンターとも言えます。

こう考えた時に、日本では必ずしもセクシーさが重要視されるわけではないです。例えば、ある程度成熟している女性に対しても「かわいい」という表現が通用するわけだし。
だから、ものすごく安易な考えではあるけれど、リリスクの立ち位置を考えるうえでは6つ目の分類として「かわいい女の子」を設定すべきだと思います。源流には先にも名前を挙げたHALCALIなんかがいるだろうし、他ジャンルであるアイドルにも比較的接近しやすいでしょう。

lyrical school "PARADE"
hinaちゃんが入ってますね。
meiさんのパートで引用があっていいですね。

スチャダラパー feat. 小沢健二 "今夜はブギー・バック (smooth rap)"

『文化系のための~』の中からもう一つ引きたいのは、近年のヒップホップでは、集団音楽であるがゆえ最も苦手としていたはずの「孤独」や「疎外感」を取り込み内省化つつあるという話(*2)。
ヒップホップというといかに「俺は凄い」のか自慢しまくる(セルフボースト)のイメージがあるけれど、近年では恋人に去られて寂しいとか「駄目な僕」を表現するラッパーや作品が出てきているそうで。本の中ではカニエ・ウェストの『808s & Heartbreak』やキッド・カディ、ドレイクが例に挙げられています。

Kanye West "Heartless"

Kid Cudi "Day 'N' Nite"

Drake "Find Your Love"

この内省化という話、少女マンガ的な内省と簡単に結びつくと思うんですよ。
実際にリリスクのアルバム中盤の曲(『でも』~『ひとりぼっちのラビリンス』)は恋人とすれ違って別れていく過程になっているし。『でも』の中の次の一節なんて強烈に刺さりますよ。
ハッピーエンドのその先
見れると信じて過ぎたあの日々
どうやってたのかはもうわからない
とけたアイスは元には戻らない

話がズレますが、先に挙げた『Night of Decision』の中でも「溶けたアイス」というモチーフが出てくるけれど、何か元ネタがあるんですかね?

Raekwon "Ice Cream"
たぶん関係ないけど、貼りたいから貼っておきますね。

さて話を戻して。
そもそもこのアルバムの曲順が「一つの恋を経てちょっとだけ成長する」みたいな流れになっていて、コンセプト自体も素晴らしいというねぇ。

lyrical school "ひとりぼっちのラビリンス"

「自分でリリック書いてないならラッパーじゃない」という意見をお持ちの方もいるかとは思いますが、プロデューサーがある程度テーマやリリックを指定することはよくあることだし、そもそもリリスク自身はラッパーとして活動しているわけではないし。
ただ、ラッパーではないからこそ、ヒップホップがあまり踏み込んでいないテーマへと踏み込んでいけているとも言えるのだから。

lyrical school "おいでよ"

lyrical school "My かわいい日常たち"
サムネイルがayakaちゃん a.k.a. プリンセスぅでいい感じ。

ま、能書きは措いておいて、素晴らしいアルバムなので興味があったら是非聴いてみると良いと思います。


2014年も素晴らしい出会いに期待したいものです。



*1 長谷川町蔵、大和田俊之『文化系のためのヒップホップ入門』(アルテスパブリッシング、2011)、p.165-169
*2 前掲書、p.240-246

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