ランキングは以下の通り。
No. | 題名 | 監督 | 製作国 |
1 | 世界にひとつのプレイブック | デヴィッド・O・ラッセル | アメリカ |
2 | もらとりあむタマ子 | 山下敦弘 | 日本 |
3 | パシフィック・リム | ギレルモ・デル・トロ | アメリカ |
4 | きっと、うまくいく | ラージクマール・ヒラーニ | インド |
5 | ゼロ・グラビティ | アルフォンソ・キュアロン | アメリカ |
6 | ホワイトハウス・ダウン | ローランド・エメリッヒ | アメリカ |
7 | そして父になる | 是枝裕和 | 日本 |
8 | 舟を編む | 石井裕也 | 日本 |
9 | ジャンゴ 繋がれざる者 | クエンティン・タランティーノ | アメリカ |
10 | シュガーマン 奇跡に愛された男 | マリク・ベンジェルール | スウェーデン、イギリス |
11 | フラッシュバックメモリーズ 3D | 松江哲明 | 日本 |
12 | ペーパーボーイ 真夏の引力 | リー・ダニエルズ | アメリカ |
13 | LOOPER ルーパー | ライアン・ジョンソン | アメリカ |
13 | キャビン | ドリュー・ゴダード | アメリカ |
14 | ハッシュパピー バスタブ島の少女 | ベン・ザイトリン | アメリカ |
15 | 子宮に沈める | 緒方貴臣 | 日本 |
16 | 横道世之介 | 沖田修一 | 日本 |
17 | 凶悪 | 白石和彌 | 日本 |
18 | クロニクル | ジョシュ・トランク | アメリカ |
19 | テッド | セス・マクファーレン | アメリカ |
19 | ばしゃ馬さんとビッグマウス | 吉田恵輔 | 日本 |
20 | はじまりのみち | 原恵一 | 日本 |
No. | 題名 | 監督 | 製作国 |
1 | ガッチャマン | 佐藤東弥 | 日本 |
2 | R100 | 松本人志 | 日本 |
3 | ボクたちの交換日記 | 内村光良 | 日本 |
4 | きいろいゾウ | 廣木隆一 | 日本 |
5 | 風俗行ったら人生変わったwww | 飯塚健 | 日本 |
6 | 脳男 | 瀧本智行 | 日本 |
7 | 聖☆おにいさん | 高雄統子 | 日本 |
8 | ローン・レンジャー | ゴア・バービンスキー | アメリカ |
9 | 共喰い | 青山真治 | 日本 |
10 | 人類資金 | 阪本順治 | 日本 |
○ベスト
一応20位まで選びましたが、11位以下はほとんど横並びの印象。
『世界に一つのプレイブック』は2013年の早い時期での公開でしたが、この時点でベスト1に決まっていたかなという感じ。
感想は別の記事に書いてますが、改めてこの作品の好きなシーンを挙げると、劇場前でパットがパニックになってしまったときにティファニーが鎮めるという中盤のシーンです。同じラッセル監督『ザ・ファイター』終盤の「ヘッド!ボディ!ヘッド!ボディ!」のシーン並みに、観ただけで涙腺が自動的に開門してしまいます。
『もらとりあむタマ子』は観終わった後も色々とシーンを思い出して笑ってしまうくらいに記憶に残った作品。80分弱でこれといったイベントも起きずに進んでいくけれど、もう画面内に映っている人の表情やしぐさ、小道具の何から何まで凄い良い雰囲気でした。
特に女優・前田敦子が素晴らしいんですよ。AKB48での活動はよく知らないし(センターだったくらいは知ってるけど)興味も無いけれど、女優としての姿は惹かれるものがあります。同じ山下監督『苦役列車』の映画オリジナルのキャラクターも良かったし、2013年公開の『クロユリ団地』のあの不穏な感じも好きです。
記事としては感想をまとめませんでしたが、ツイッターではこんな感じのことを呟いてました。
エロ的な意味合いではなくて、自然にだらしない感じがたまらない。
同じ山下監督の『苦役列車』の時も本当に普通の人が画面の中にいる感じが良かった。
— 症候3000 (@symptom3000) 2013, 12月 8
誤解の無いように付け加えておくと、「素人臭い」とか「華が無い」とかいうことではないのですよ。その反対。
あまりにも自然に生活臭(『苦役列車』なら昭和臭)を出してくるもんだから、むしろ強烈にインパクトが残る。
— 症候3000 (@symptom3000) 2013, 12月 8
あっちゃん以外のところでいうと、食事の描写が生活臭ビンビンだった。
夕飯がカレーだった(「少なくとも…今ではない!(断言)」は最高w)翌日、タマ子がゲームをしてるシーンで、手前のテーブルにはカレーらしきものが付いた茶碗とスプーンが置いてあった。
昨日の残りを食べたんだろうなぁと。
— 症候3000 (@symptom3000) 2013, 12月 8
『パシフィック・リム』はもうここでわざわざ説明する必要も無いじゃないですか。なぜなら2013年の日本には国民の四大義務があり、それは教育・納税・勤労・パシリムの鑑賞だったわけですから。
どこが良かったかは別の記事に書いているしね。
ベスト1に選ぶ人はたくさんいると思ったので3位にしておきました。
『きっと、うまくいく』は約3時間あるインド映画でしたが、物語の展開がとてもスムーズなのでアッという間に感じてしまうくらいに楽しい作品でしたね。ベタな展開のものをきっちりと作ることが出来るのは、やはり技術がいることだと思うのですよ。
『ゼロ・グラビティ』は2013年の終盤に公開されてランキングに食い込んできた作品。映像の技術や迫力もさることながら、「重力」と「生きる実感」を重ねた主人公の再生物語でもあったところが素晴らしかったですね。
『ホワイトハウス・ダウン』は2013年で一番の掘り出し物の作品だと思います。
『ゼロ・ダーク・サーティ』でビン・ラディン暗殺を描かれた後は、「アメリカやホワイトハウスが占拠される」系の話がやたら多く出て、そのほとんどが(おそらく意図的に)北朝鮮が敵として描かれる内容でした(『G.I.ジョー バック2リベンジ』、『エンド・オブ・ホワイトハウス』、『レッド・ドーン』とか)。この作品もその系列かと思ってたけど、まったく違ってました。
「大統領がバカすぎる」とかしょうもない事言ってこの作品を低く評価している評論家もいるらしいですが、何を言ってるんでしょうかねぇ。
ジェイミー・フォックスの「大統領なのにどこか抜けてる」ところがお茶目で良いんじゃないですか!彼と 「筋肉バカっぽいしダメ親父だけど有事の時には能力を発揮する」チャニング・テイタムが組むからこそ魅力が無限大に広がるんじゃないですか!!もう最高のバディ・ムービーでしたよ!
娘ちゃんも可愛かったです。
2013年の夏に『パシフィック・リム』と『ホワイトハウス・ダウン』を観なかった人は死ぬべきだと思います。
あとは割愛!
○ワースト
ワースト3は全く合わなかった作品、それ以下は改善点が多く見られた印象が強い作品、ってトコですかね。
『ガッチャマン』、『R100』、『黄色いゾウ』、『脳男』は別の記事で感想をまとめているので、ここでは割愛。他の作品についていくつか。
『ボクたちの交換日記』については鈴木おさむの原作も読んでないし、ウッチャンが監督した前作『ピーナッツ』も観てないので根本の原因が特定できたわけではないのだけれど、とにかく「主人公の周囲にいる人たちが一様に優しい」という世界が気持ち悪かったです。
主人公の伊藤淳史と小出恵介のキャスティングは良かったと思うんですよ。 特に小出のテキトーそうな感じとか。ただ、この二人にできる彼女(後の妻)がどちらも描き分けが無いのがどうしても腑に落ちなかったです。
この作品は「夢を諦めざるを得ない人たち」を描いているわけですよ。どんなに好きだとしても誰もが夢を叶えられるわけではないっていう。同期のヤツが先に目を出したり、後輩に追い抜かれてしまったり、チャンスを活かせずに終わってしまったりという厳しい現実は確かに作品中にあるにはある。で、百歩譲って先輩とかが優しいのも分かるんですよ。主人公の心情が理解できるような経験をしているし、結局は他人だから主人公たちが潰れたとしても実害はほぼ無いわけだしさ。
ただ、彼女は違うじゃないですか。芸人の心情が実体験として分かる立場ではないし、同棲なり結婚なりしてしまったら、主人公たちの働きぶりが彼女自身の生活にも直結してくるわけだからさ。芸人の彼女になった人が誰しも優しい目で彼らを見つめながら支えるわけではないでしょ。生活のために職に就くように頼んだりすることもあるだろうし。芸人として成功したとしても、家庭を顧みないから別れるなんてこともあるでしょう。
それなのに、この作品では主人公のどちらの彼女も優しく支えててさ。。。ドラマ的にも対比が活きそうな所なのになぜ見分けの付かないようなキャラがいるのか。
まぁ、結局は僻みだけどね!
『風俗行ったら人生変わったwww』は前半はまだ良かったんですよ。満島真之介のオーバーアクトも、29歳童貞の前に素敵な女性が現れたらそりゃあテンションも上がるだろうから、まぁ許容範囲だろうと。松坂桃李が「仏頂面」と「ばつの悪そうな笑顔」以外にコメディの演技ができるのも分かったし。
何よりも、ピザのデリバリーには谷村美月が来て、ヘルスのデリバリーには佐々木希が来るなんてステキな世界じゃないですか!「もしこのまま最後まで面白かったら、俺も一丁“時間に追われる恋”から人生変えてみるかァ!」くらいには思ってたんですよ。
ただ、後半のメインの内容になる「晋作(松坂桃李)の力を借りて主人公の遼太郎(満島真之介)がかよ(佐々木希)の雇い主に仕返しする」の展開があまりにもバカバカしくてガッカリしました。
書籍版の内容がどうなのかは知らないけど、少なくとも元スレのこの部分の面白さって、晋作が法律の知識とハッタリで相手をきっちりカタにはめていくところじゃないですか。それが何故か、現実離れしたしょうもないスパイアクション(別にドキドキもしないしカッコ良くもない)みたいな描写でごまかされていました。
一番おいしいところを台無しにしてるよ。
『聖☆おにいさん』は間の悪さが苦痛でした。そもそも原作のノリが2時間上映に向いていないと思います。
『ローン・レンジャー』は上映時間が2時間半あって、面白くなるのがラスト30分という時間配分がどうかと思います。
『共喰い』は画面から暑苦しさをほとんど感じなかったのと、映画オリジナルの部分が蛇足だったかな。
『人類資金』の冗長な雰囲気には阪本監督の作品を観ているなぁという実感がわきました。
○総括
今年はベストもワーストもインパクトの強い作品が少なかった印象。
「これは人に薦められる/薦められない」と思う作品はたくさんあったけど、「100人に反対されても俺はこの作品を擁護/批判する!」と思う作品はあまり無かったです。
まぁ、映画鑑賞へのモチベーションが最近下がりつつあることが原因かもしれませんが…。
2014年は早い段階でインパクトの強い作品に出会いたいものです。
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